教育
(プロジェクト)
2025年6月18日
途上国での教育における課題

途上国では、教師不足や教材不足により、質の高い教育が提供されにくい現状があります。特に郊外と都市部の格差があり、労働の担い手として求められてしまう子どもたちにも教育の機会が与えられるようにしなければなりません。しかしながら、教育現場では、子供たちの学習意欲を阻む深刻な環境課題があります。
- 個別指導の限界と二極化:
一クラスの児童数が非常に多く、慢性的な教員不足や急な欠勤が頻発しています。理解度に応じた指導が難しいため、「わからないまま置いていかれる子」と「物足りなさを感じる子」の二極化が一斉授業の中で進んでいます。 - 基礎を作る「演習機会」の圧倒的不足:
質の高い教科書や問題集が十分に普及していません。特に、算数の学習は基礎の積み重ねが不可欠ですが、その土台となる反復練習(演習量)を確保する手段が現場で不足しています。
ITによるソリューション例
- オフラインでも使えるEラーニングアプリの普及
- モバイル端末を活用した遠隔授業と学習管理システム
- 個別学習支援ツールで生徒の理解度に合わせた教育提供
弊社の実績
算数アプリの制作および保守管理(JICAプロジェクト)
アプリ開発による解決策 :「個別最適化」と「継続の仕組み」

私たちは、現地の言語(英語・スペイン語)にローカライズした独自の算数アプリ「JICAL」を開発し、テクノロジーのアプローチで課題を解決しました。
- 一人ひとりに合わせたステップアップ:
アプリが児童の解答をリアルタイムで判定します。これにより、教員がつきっきりにならなくても、自分のペースで「解けた!」という成功体験を積むことができ、自律的な学習が可能になりました。教員不在時でも授業を補完できる強力なツールとして機能しています。 - 直感的なUIとゲーミフィケーション:
識字率が低い低学年の児童でも直感的に操作できるように、絵やアイコンを多用。アバター要素やメダル付与などのゲーム性を取り入れることで、子供たちが自発的に「もっと解きたい」と思える学習環境を構築しました。 - オフライン環境対応と低コスト運用:
通信環境が不安定な地域でも問題なく利用できるよう、インターネットが使えないオフライン環境に対応。高価な機材は不要で、ITの専門知識も不要。現地で調達可能な安価なタブレットで導入できる運用エコシステムを整えています。
プロジェクトの実績と現場の声
JICAのエンドライン調査の結果によって、学習効果が実証されました。紙のドリルを使用したグループと比較し、アプリを使用したグループの成績伸び率が有意に向上しました。(下記リンクを参照ください)
- アプリ開発の背景:「JICAL」完成レポート(2024年10月発行)[PDF]
- 導入事例:パプアニューギニアの教育現場における活用(2025年5月)
- 成果報告:パプアニューギニアでの導入後の実績と評価(2025年12月)
また、導入現場からは、以下のようなテストの点数以外の効果についても報告されています。
- 「指計算に頼る児童が目に見えて減少した」
- 「算数アプリがモチベーションになり、学校の出席率自体が向上した」
- 「筆圧が弱くても操作でき、自分のペースで問題に取り組めるため、特別支援学級の児童でも一般学級と同じように学習できる」
今後の方向性:教育の質向上から、他分野・多地域への展開へ
本プロジェクトの成果をもとに、以下の多角的な展開を検討しています。
- 多言語化とグローバル展開:
低学年の児童は、その国の公用語すら理解が難しいという現状が課題としてあります。そのため、現在の英語・スペイン語に加え、より多くの途上国のローカル言語への対応が必要です。言語の壁が無くなることで、低学年からの基礎能力の向上が期待できます。 - インクルーシブ教育の推進:
筆圧が弱い児童や、ユニークな感性を持つ特別な支援が必要な児童にとって、紙のドリルでの学習は大きなハードルでした。タブレットならではの「指の力が弱くても直感的に操作できる」という利点を活かし、さらに様々な特性の児童でも使えるようUIを改良することで、誰もが自ら進んで学習できる環境が整うことが期待できます。 - 学習データの可視化:
蓄積された学習データを分析し、教員が「どの子が、どの単元でつまずいているか」を一目で把握できるダッシュボード機能があれば、教員の負担を減らしつつ、個別最適な教育支援が実現できます。 - 利用環境の拡張:
現状のアプリは、Android端末やインターネット接続のあるPCなど、利用環境が限定されています。iOS端末やオフライン環境のPCでも対応を進めることで、機材面での導入のハードルを下げられます。 - 他分野への横展開:
本プロジェクトで培った「自習形式のデジタル学習モデル」とシステムのノウハウは、他の科目や職業訓練など、幅広い領域へ横展開が可能です。
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